1.駐車場の大きさの目安

先にもお話したように駐車場はただ車が停まるスペースがあれば良いってものじゃないんです。
乗り降り、荷物の出し入れなども考慮しておかないと使い勝手の悪い駐車場になってしまいます。
ここでは、駐車場の大きさを決める時のポイントを見ていきましょう。

1-1.車の大きさってどのくらい？

実際の車の大きさを車のタイプ別に見てみましょう。
タイプの中でも車種によって大きさに幅がありますが、およそのサイズの目安は以下の通りです。

・軽自動車(N-BOX、タント、ワゴンR等)：D3.4ｍ×W1.48m
・コンパクト(アクア、ノート、フィット等)：D3.8~4.2m×W1.6~1.8m
・セダン(フーガ、クラウン、インサイト等)：D4.8~5.2m×W1.7~1.9m
・SUV(ハリアー、エクストレイル、ヴェゼル等)：D3.5~5.0m×W1.5~2.0m
・ステーションワゴン(レガシー、カローラツールング、レヴォーグ等)：D4.5~5.0×W1.5~1.7m
・ミニバン・ワンボックス(ノア、セレネ、エルグランド等)：D4.2~5.0m×W1.7~1.9m

ここに表示したのは車本体のサイズです。
車を停めるには車の大きさと同じスペースがあれば停められるわけではありません。
車の乗り降りや荷物の出し入れ、カーポートを設置する場合はその柱など車の大きさ以外に確保しなくてはならない空間があります。

1-2.車の大きさ以外に必要なスペース

この項の冒頭でもお話したように駐車場は車が停まれば良いというものではありません。
ドアの開閉、乗り降り、荷物の出し入れといった動作が心配なく出来るスペースがないとストレスになります。
車の大きさ以外に必要なスペースの目安を見てみましょう。

・ドアの開閉と車の乗り降りするスペース　→　車体の運転席サイド　約1.0m
・トランクの開閉と荷物を出し入れするスペース　→　車体の後方　約0.5m
・カーポート・ゲートなど金物を設置するスペース　→　金物の柱位置により車体両サイドまたは前方　約0.3~0.5m
・車の出し入れに必要なスペース　→　車体前方　約0.5ｍ

それぞれ確保すると良い一般的な大きさの目安を表示しましたが、車種によってドアの開閉幅も異なり設置する金物によって柱の位置や大きさも変わってきますので一般的なサイズで問題ないか確認が必要です。

1-3.理想的な駐車場スペースとは？

ここまでで快適で使いやすい理想的な駐車場に必要なスペースのイメージがで来てきましたか？
ご想像どおり、駐車場には車の大きさの他に1-2で述べた車の大きさ以外に必要なスペースを足した空間が必要です。
所有する車や設置する金物が具体的に決まっている場合はそれに合わせた空間を確認して確保することができますが、一般的には　D5.5m×W3.0ｍ　、金物を設置する場合は　D6.0ｍ×W3.0ｍ　あれば良しとされています。

新築の場合は車の台数、停め方を考慮して駐車ペースを確保した後に建物の大きさや位置を検討すると計画もスムーズです。
建売住宅を購入する場合は、所有する車が十分入るスペースがあるか確認する必要があります。
リフォームの場合は購入予定の車の大きさにあったスペースが確保出来るかどうか確認してみてください。

2.並列駐車と縦列駐車について

個人邸で駐車場を設ける場合、道路に直角に車が停まるように駐車スペースを確保することが一般的ですが、建物の位置によっては駐車場の奥行きや間口がが確保出来ず道路と並行、または縦列に駐車スペースを確保しなくてはならないケースもあります。
こういった場合、どのくらいのスペースが必要なのかお話していきます。

2-1.並列駐車で注意するべき点は？

車を道路と平行に停めるような駐車場を並列駐車と言います。
このように駐車場を確保した場合、縦列駐車の技術が必要となります。
縦列駐車は運転技術において難しいと言われ、駐車に必要なスペースが十分に取れていないと駐車する難易度が上がってしまいます。
道路と並行に車を停める場合、基本的にはバックで駐車することになります。
このとき車の前方に車体の半分のスペースを余分にとっておくと縦列駐車が安心して出来ます。

2-2.縦列駐車で注意するべき点は？

車の台数が増えて車2台分の間口が取れない場合や建物を効率よく建てるために縦列駐車を選択する場合があります。
縦列駐車は車を前と後ろに並べて駐車するため、前の車が出ないと後ろに停めた車が出られないというデメリットが発生します。
そのため良く使う車、先に出発する車が出やすいように前に、あまり使わない車、遅く出かける車を後ろに入れる工夫をすると良いでしょう。

まとめ

駐車場の大きさについてお話してきましたがいかがでしたか？
駐車場は敷地の中でも広いスペースを必要としますし、建物の配置の位置や建物の大きさにも影響してきます。
こだわって建てた家でも欲しい車を停める場所が確保できなかったり、乗り降りや荷物の出し入れが困難になると台無しです。
自宅に駐車場を作る時は車の大きさだけでなく停め方や車を利用するときの状況も考えて計画すると良いでしょう。