陽当たりの悪い庭の楽しみ方~日陰・半日陰の庭の活用法 シェードガンデンを作ってみよう!~

日本の住宅事情では隣家との間が狭く、せっかく庭として使えるスペースがあるのに陽当りが悪く庭の使い道に困っているご家庭は多いと思います。
そこで今回は、陽当りが悪く暗く感じてしまう庭を楽しむ『シェードガーデン』についてご紹介します。
シェードガーデンで使われる植物は丈夫で育てやすいものが多くガーデニング初心者にもおすすめです。陽が当たらない環境でも育てられる植物で庭を彩って明るく華やかにしてみませんか?

1.シェードガーデンとは?

シェードガーデンとは日陰で楽しむお庭のことです。
花など植物は日光を栄養として元気に育つためガーデニングをする条件として陽当りが良いことが第一に挙げられますが、日向よりも日陰を好み日陰の方が元気に育つ植物もあります。
シェードガーデンではこの様な陽の当たらない環境を好む植物を植えて楽しみます。
シェードガーデン向きの植栽には派手な花を咲かせるものは少ないですが葉の色や形に特徴のあるカラーリーフと呼ばれるものが多く庭を彩ってくれます。
また、耐寒性があり日光が少なくても育つ丈夫で手間のかからない植物が多いのでガーデニング初心者にもおすすめです。

2.シェードガーデン作りのポイント

2-1.庭の陽当り具合をチェックしよう

陽当りの具合いによって適した植物が異なるためまずは庭の陽当り具合いをチェックしましょう。
日陰は一般的に木陰、半日陰、日陰に分けられそれぞれの環境に適した植物を選びます。
3つの日陰の違いを次にご紹介します。

【木陰】木の葉や枝が日光を遮ることでできる優しい日陰。
【半日陰】1日のうち2~3時間程度陽が当たる、午前または午後のみ陽が当たる場所。
【日陰】四方を建物や壁に囲まれていたり建物の北側、1日のうちほとんど日光が当たらない場所。

厳密に測る必要はありませんが、植物にとってよりよい環境であることが長く美しく楽しめる庭を作るポイントです。

2-2.庭のイメージを考える

どの様な庭で過ごしたいか考えてみましょう。
イメージカラーや庭に置きたいオブジェ、花壇の形などこだわりのポイントを絞ると庭のイメージを考えやすくなります。
シェードガーデン向きの植物の配置のポイントは配色と高低差です。
カラーバリエーションが豊富なカラーリーフを高さを考慮しながら配置すると奥行きの感じる素敵なお庭になります。

2-3.土壌のチェック

陽当りの良くない場所では湿気が多くカビやコケなどが発生する可能性があります。また植物は水はけが悪い環境では根を腐らせる原因になるので注意が必要です。
スコップで掘り起こした土を手で握るとホロホロと簡単に崩れる場合は水はけと通気性の良い土壌で植物にとって良い環境です。
ねっとりと粘土のようになる場合は水はけが悪い土壌と言えるでしょう。土を入れる前に花壇の底に砕石を入れ粗目の砂を敷くなどして水はけや通気性を良くする工夫をしましょう。
植物と植物の間隔を開けて植えるのも通気性を良くするのに有効です。

3.シェードガーデンにおすすめの植物

さてここから本題。日陰でも元気に育つシェードガーデンにおすすめの植物をご紹介します。
先にチェックした陽当り具合別にご紹介していきますでの参考にしてみてください。

3-1.木陰におすすめの植物

アジュガ:常緑多年草で耐陰性、耐寒性に優れよく育ちます。春に直立した茎に紫やピンクの小さな花を鈴なりに咲かせます。地面を這うように成長するのでグランドカバーとして最適。
ヒューケラ:常緑多年草で耐陰性に優れています。葉色の種類が豊富でカラーリーフプランツとして楽しまれています。葉色だけでも楽しめますが素朴で可愛らしい花を咲かせ花持ちがよく切り花にもなります。
カレックス:シュッと細長い葉が特徴で種類が豊富です。品種によって葉色の濃さも様々です。とても強健な植物で品種によって好みの環境も変わりますが環境に適応する力もあります。
クリスマスローズ:常緑で暑さには弱いですが耐寒、耐陰性に優れ水はけのよい土壌を好みます。花の少ない寒い冬に花を咲かせるので重宝されます。

3-2.半日陰におすすめの植物

フウチソウ:日本原産の多年草で盆栽などで古くから楽しまれてきました。笹の様な細い葉をこんもりと茂らせ風になびく姿が美しい植物です。
アルミケラ・モリス:バラ科の多年草で、高温多湿を嫌います。ハート型の葉と小さな星型の花がとても可愛らしく観賞用として世界中で親しまれています。初夏に咲く花はシナモンに似た香りがします。
ティアレラ:常緑多年草で葉の形や姿はヒューケラに似ています。春には小さな花をたくさん咲かせ日陰を華やかに演出してくれます。
アガパンサス:多年草ですが種類によって常緑タイプのものと宿根タイプのものがあります。陽当りの良い場所を好みますが強健な植物なので半日陰なら育ちます。フサフサと茂った葉の中心から長い茎を伸ばして紫がかった青色の花を咲かせます。
アスチルベ:日本に自生する多年草で丈夫で育てやすい植物です。湿気に強いので日陰でも気にせず育てることができます。白やピンクの小さな花を鈴なりにたくさん咲かせます。
ヤマアジサイ:日本の気候に適していて育てやすい植物です。植えた場所の土の声質によって花の色が変わるという面白い特徴があります。
セファランサス:落葉低木で梅雨から初夏にかけて白色のポンポンの様な花を咲かせます。耐寒性もよく湿地を好むのでシェードガーデンのアクセントとなります。

3-3.日陰におすすめの植物

ギボウシ(ホスタ):多年草で東アジア全般に自生しています。初夏から夏にかけて長い茎にラッパ型の花をたくさん付けます。色や模様のバリエーションの豊富な葉は古くから観賞用として親しまれています。
ヤブラン:常緑の多年草で乾燥に強く、厳しい環境でも育つ手かからない植物です。シュッと細長い葉は堅くてしなやかで一年を通してあまり姿を変えません。晩夏から秋にかけて紫や白の小さの花を咲かせます。
ツワブキ:日本原産の常緑多年草で塩害にも強く過酷でもたくましく育ちます。艶のある肉厚な丸い葉は斑入り八重、丁字などの品種によって異なります。秋から初冬にかけて黄色いキクに似た花を咲かせます。
ディエルヴィラ:夏に咲く黄色い花に蜂が集まる蜜源植物として知られる落葉低木です。温かい間は品種によってオレンジ、バーガンディ、濃い紫色の葉色が紅葉の季節には黄や赤に変わり庭のアクセントとなります。

まとめ

シェードガーデンについてのお話いかがでしたか?
ガーデニングは陽当りのいい場所で楽しむものと思っていた人には驚きだったと思います。
植物には陽の当たらない場所を好むものが他にもたくさんあります。
植物にはそれぞれ好む環境があり、植物に適した環境でなければ元気に育つことはできません。
まずはご自宅の環境をチェックしてガーデンライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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