1.水はけが悪い2つの原因

お庭の水はけが悪い原因は2つ。土自体の問題か、地盤の問題かのどちらかの原因が考えられます。
それぞれの原因で想定される事をまとめてみました。

1-1.土の問題で水はけが悪い場合

水はけが悪い原因が土にある場合、以下のような問題が土にあると考えられます。

・もともと低地などの湿地帯だった（埋立地である）
・粘土質、赤土質の土である（粒子が細かく保水性が高い土質）
・砂よりも細かい粒子の土である（保水性が高い土質）
・庭の樹木、植栽などで根詰まりしている（花壇など仕切られた植栽スペースは注意）
・土が劣化してしまった(庭の手入れが行き届いていない)

1-2.地盤の問題で水はけが悪い場合

水はけが悪い原因が地盤にある場合、以下のような問題があると考えられます。

・造成、整地の際に重機で締め固めた
・地盤がもともと弱かった
・岩盤が地下にある
・地下水が湧き出している
・地下水の通り道になっている

2.水はけを改善する5つの方法

水はけが悪いと庭が湿った状態が続き、植物の根が酸素を吸収できなくなり育たなくなってしまいます。それだけではありません。湿った状態が続くと病害虫が繁殖しやすくなり衛生上も問題です。
では水はけを良くするにはどのような方法があるのでしょうか？水はけを改善する５つの方法をご紹介します。

2-1.自然の法則に従う

簡単に言えば自然にまかせるという事ですが、自然にかませて何もしないということではありません。
水は高い所から低い方向へ向かって流れるという自然の法則に従って庭に傾斜を付けるということです。
庭にたまる水の9割は地下にしみ込まず、側溝などへ流れる表面排水と言われています。低くしたい場所の土を掘り起こし高くしたい場所に盛り土をして庭に溜まった水が自然に側溝に流れるようにしてみましょう。

2-2.土壌改良をする

土に水が通る隙間がない土は水はけが悪くなります。ですので水はけを良くするには土に水が通れる隙間を作ってやることです。
まずは、固くなった土を耕して柔らかくしましょう。耕した土に土よりも粒子の荒い砂利や腐葉土を混ぜてあげると効果的です。
このような土壌改良は水はけの良し悪しに関わらず定期的に行うと植物もよく育ち病害虫の駆除にもなります。
広いお庭の場合はその分労力がかかりますが、砂利と腐葉土の費用で済むので安価に改良することができます。

2-3.水はけが良い土を入れる

水はけの悪い土の上に水はけの良い土を盛り土する方法です。土を入れるだけで簡単に出来る方法ですが、難点が2つあります。
まずは庭に植物が植えてある場合、植物の根の深さに合わせて盛り土をしなくてはなりません。そのためすでに植えてある植物をいったん取り除いてから新しい土を入れ、改めて植物を植え直さなくてはなりません。
次に水はけの良い土を入れるということは地面が高くなるということです。土を入れるといっても土を撒く程度では水はけの改善にはなりません。30cm程度の深さは必要です。現状の土の上に30cmもの土が入るとその分地面が高くなってしまいます。境界の土留ブロックや基礎との高低差が少なくなり豪雨の際は浸水などが心配されます。この場合新しい土を入れる分、土を掘って土を入れ替えた方が良いでしょう。
お住まいの環境をよく考慮して行いましょう。

2-4.暗渠(あんきょ)排水を作る

ここからご紹介する方法は地盤が悪い場合に水はけを改善する方法です。

地下に設けた水路のことを暗渠(あんきょ)と言います。
具体的には地面に溝を掘り、そこに排水パイプを設置し砂利や小石で覆います。そして排水パイプの先に掘った深い穴に砂利や砂を入れて水がたまる場所にします。排水パイプや水をためる枡には土をかぶせたり蓋をするので邪魔になることはありません。

2-5.雨水浸透桝を設ける

雨水桝が庭に設置されているご家庭は多いと思いますが、雨水桝と雨水浸透桝は別物です。
共に雨樋から流れてきた雨水を集めて側溝などに流す役割がありますが、雨水浸透桝の周囲には穴が空いているため流れ込んだ雨水が地中にしみ込む仕組みになっています。暗渠とセットで設置すれば排水効果は大いに期待できます。
また雨水浸透桝は側溝や河川への雨水の流入量を減らすことが出来るため治水対策として設置を推奨し、助成制度が受けられる自治体もあります。設置を検討される方はお住まいの自治体に問い合わせてみると良いでしょう。

3.まとめ

今回はお庭の水はけが悪い原因と水はけを良くする方法についてお話してみました。
水はけが良くないと植物が元気よく育たないだけでなく、蚊や病害虫の発生の原因ともなり人にとっても健康上よくありません。
ご紹介した水はけの改善方法もDIYで行うことも可能ですが、枡の設置や掘り起こす範囲が広かったりたくさんの量の土を運ぶなど大掛かりな作業はお金はかかりますが専門業者にお願いするのが安心です。

水はけに関する施工例①

水はけに関する施工例②

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