犬走りとは?~犬走りを施工する時に知っておきたいこと~

近年、犬走りを設けている新築の家を見ることが少なくなってきました。
犬走りを知らない人も多いことでしょう。
犬走りは日本に古くからあった外構工事の一つで家を長く使っていくための重要な役割があります。
今回は犬走りの役割と施工についてご紹介します。

目次1.犬走りの必要性
2.犬走りの大きさ・材料・費用のこと
3.コンクリートと砂利の違い
4.まとめ

1.犬走りの必要性

犬走りとは家の基礎の周りにコンクリートなどで作る縁取りのようなものです。
名前の由来には諸説ありますが、施工した際に犬の足跡がつくことがよくあることが語源とされています。
ではこの犬走りにはどのような役割があるのか見ていきましょう。

1-1.建物の壁を守る

犬走りは雨樋がまだなかった頃、屋根から落ちてくる雨から外壁を守るために作られました。
水はねによって外壁が汚れるのを防いだり、外壁の劣化を防ぐ目的があります。

1-2.環境を整える

犬走りを施工することで家の周りの環境を整える事ができます。
具体的にはコンクリートを打つことで雑草や苔が生えるのを抑える事ができ、雨の日などはコンクリートの上を歩けば靴を濡らしたり汚したりせずに歩くことが出来ます。
振動対策や景観を整える効果もあるため、家を建てる際に犬走りの施工を勧められる事があります。

1-3.虫対策

犬走りは施工方法によっては虫の家への侵入を防ぐことも出来ます。
水たまりができる水はけの悪い環境は蚊の発生の元になります。水はけを考慮して犬走りを設けることで蚊の発生を抑える効果もあります。
建物の基礎は家を守るための大事な要素です。虫や水から基礎を守るためにしっかりと計画しましょう。

2.犬走りの大きさ・材料・費用のこと

2-1.どのくらいの大きさがいいの?

一般的には40~60cmの幅で地面よりも1段高く作られますが、大きさに特に決まりはありません。家の大きさや庭の利用方法を考えて自由に決めることが出来ます。

ではどのように犬走りの大きさを決めれば良いのでしょうか?
前述した犬走りの目的の他に犬走りの使い方について考えてみましょう。
通路として使ったり、自転車を置くなどの目的があるならば80~100cmの幅が必要になります。
テラスや物干し場として使ったり、雑草の手入れの手間をなくしたいなら庭のスペースに合わせてさらに幅が必要になります。
犬走りの目的を果たしながらどんな使い方をするのか考えて設計しましょう。

2-2.どんな材料があるの?

犬走りによく使われているのはコンクリートと砂利です。
コンクリートは雑草や虫対策に有効で管理がしやすいので最も多く採用されます。
砂利は歩くと音がなるので防犯対策になるため家の裏側などによく使用されます。雑草対策をする場合は防草シートと併用すると良いでしょう。
デザイン性を求めるなら洗い出しコンクリートにしたり、自然石を敷き詰めたり、お気に入りのタイルなどを貼る方法もあります。

2-2.どのくらいの費用がかかるの?

費用に関しては使用する材料や施工する大きさによって決まります。
通常80cm幅のコンクリート製の犬走りを作成する場合、1mあたり6000円前後が目安となります。新築の場合、基礎と一緒に施工すると安く施工できるでしょう。
砂利やその他タイルなどを使用する場合は選ぶもので左右されるので費用の目安ははっきりと言えません。
施工する業者によっても異なるので外構工事と同様に複数の業者に見積もり依頼をして比べてみましょう。

3.コンクリートと砂利の違い

犬走りの主な材料、コンクリートと砂利にはどのような違いがあるのでしょうか?
メリットとデメリットを比べながら見ていきましょう。

3-1.コンクリートのメリット・デメリット

犬走りをコンクリートにするメリットは雑草や虫、猫の被害の対策に有効で管理がしやすい点です。
注意したいのは虫についてです。虫を寄せにくいとされるコンクリートですが、水たまりや雑草対策になる点では蚊などの発生を抑えることが出来ます。しかしコンクリートの犬走りを作ったからといってシロアリ対策にはなりません。コンクリートの伸縮などでできた隙間やひびからシロアリは侵入しますのでシロアリ対策はきちんとしましょう。
コンクリートの施工や修理には業者にお願いしなくてはならない点や人が歩いた時に音がしにくいので人の侵入に気づきにくいというデメリットがあります。

洗い出しコンクリートや石貼り、タイルなどで犬走りを作成する場合もコンクリートと同じメリットとデメリットが当てはまります。

3-2.砂利のメリット・デメリット

砂利で犬走りを作るメリットはDIYが可能で施工後のサイズ変更などが容易に行えて、防犯対策になることにあります。
近頃はDIY用にホームセンターで大きさや色など様々なタイプの砂利が選べます。普通の砂利よりも音が鳴りやすい防犯用の砂利もあるので防犯を強化したい場合は利用すると良いでしょう。
雑草対策をしっかりとする場合は防草シートを敷いてから砂利を撒くよにしましょう。
デメリットは平ではないので通路として利用する場合は少しあるきにくくなる点と犬や猫が寄り付きやすい点です。

3-3.排水計画をしっかりと

犬走りの材料に関係なく排水計画はしっかりと行いましょう。
犬走りは建物の土台となる基礎の周りに施す設備です。
排水が行えず基礎周りの水はけが悪いと湿気がたまり建物に悪影響を与えます。
排水環境は新築の基礎計画と一緒に整えておくことが最善です。土壌環境も配慮して計画してもらうようにしましょう。

4.まとめ

新築の家で最近はあまり見かけなくなった犬走りですが、家を守り環境を整えるには大切な設備です。
設置をする場合は犬走りの役割や目的をしっかりと決め、庭の大きさや家の環境に合わせて計画をしましょう。
使用する材料はメリット・デメリットを理解して必要に合わせて選択しましょう。
家を建てた後に施工することももちろん出来ますが、費用がかさむので排水環境も含めて基礎と一緒に計画するようにしましょう。

 

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